エアコン取り付け時のエアコン専用コンセントとコンセントの形状

エアコン専用コンセントとコンセントの形状

エアコンの取り付け工事を依頼する時、ほぼ間違いなく聞かれる「専用コンセント」。 何故、どんな理由で必要なのかそれをご紹介します。

「エアコンのコンセントなんて、どれも同じでしょ?」と思っていませんか?通常の家電製品のコンセントと違って、エアコンのコンセントは普段注意を払う機会が少ないですから、そう思われるのも無理はありません。

しかし、エアコンによってコンセントの形状は違います。ではなぜ、コンセントによって形状が違うのでしょうか。

こちらでは、その理由や形状が違うエアコン取り付けの際の注意点について見ていきます。

エアコンのコンセントの形状の違いについてきちんと押さえておきましょう。

何で専用のコンセントが必要なの?

一番の理由が火災の原因となる可能性がある。 また、メーカーの基準に準じるためと言うことが 主だった理由です。

数年間なら、そこまで厳しくなく、 通常コンセントから延長ケーブルでエアコンに電気を 供給して行っていた時期もありました. しかし、主に上記の理由で現在は自主的に、 専用コンセントが無いと取り付けしないようにしています。

また、専用でないと、エアコンの使用中にブレーカーが 落ちてしまう可能性も上がり、生活の面から考えても不便になります。


専用と普通のコンセントの違いは?

ブレーカーから1本だけ回ってきている配線が専用の物となります。 普通のコンセントは一つの配線で複数のコンセントに電源を供給しているものです。
ですから、通常のコンセントからエアコンを共有で使おうとするとブレーカーが上がってしまう 恐れがあるため専用の物を用意する必要があります。

見た目で分る違いとしては一般的には天井付近にあるコンセントがそれですが、 稀に換気扇用のコンセントも天井付近に設置されています。

分らない場合はマンションなどの共用住宅なら、オーナーや管理組合に聞くのが 一番正確です。


エアコンを取り付ける時にコンセントが無かったら

なければ、工事が出来ないので、コンセントを増設する必要が出てきます。 料金は相場で12000円~20000円ぐらいが一般的な価格です。
条件としては、ブレーカーに空きがあることが前提となり、 そうでなければ分電盤ごと取り替える必要と場合によっては 供給される電気の契約も変更する必要があります。
増設するにしても後からの増設となるので配線はブレーカーよりむき出しで通す形になる 事が多いです。
また、マンションやアパートの場合、出る時に原状復帰させる義務があるので その時の費用などを考えるとこちらも通常の電気工事会社では手におえない状況が多いです。


エアコン専用コンセントがない場合は増設が必要

あまり知られていないことかもしれませんが、エアコンを設置するためには専用のコンセントが必要になります。 専用のコンセントとは、分電盤の中でいくつかの回路と一緒に一つのブレーカーに繋がっているのではなく、それ単独で一つのブレーカーと繋がっている回路を言います。 エアコンを設置したい場所の近くにコンセントがあったとしても、それが他の何かと一緒のブレーカーに繋がっていて専用の回路となっていない場合にはそのままでは設置することはできません。 それはエアコンの使用電力が非常に大きいために、何かと共有で使用している回路の場合には電力が足りなくなってしまう危険性があるからです。 昔は専用回路であるかどうかということはそこまで重要視されていませんでした。 ですから専用回路でないコンセントを利用して設置されている場合もあります。 現状エアコンが設置されている場所だから大丈夫、そのまま付け替えれば良いだけだと思ってしまうかもしれませんが、もしそれが専用の回路になっていなければ現在は工事をしてもらえない場合が多いです。 エアコンを設置しようと考えている場合には、設置希望の場所で使用することが出来るコンセントの中に専用回路のものがあるかどうかを必ず確認し、もし無いようであれば電源増設施工をする必要があります。

専用回路の見分け方

専用回路であるかどうかということは、一体どのように判断すれば良いのでしょうか? まず簡単な方法としてコンセントの位置を確認します。 エアコンを取り付けする位置の辺りの壁の上の方についていれば、それは専用回路の可能性が高いです。 そして良く見る2つ穴の形状ではなく、穴が3つ空いていたり、特殊な形状であればその可能性が高くなります。 次に分電盤を見てみます。分電盤のブレーカーには、そのブレーカーが何と繋がっているのかということが見て分かるようにラベルが貼ってあることもあります。 もしエアコンと書いてあるものがあれば、それは専用回路です。 ですが、表記や形状、位置を見ただけで確実に専用回路であるかどうかということを見極めることは出来ません。 確実に見分けるためにはブレーカーを落として確認するのが一番です。 エアコン用のコンセントに繋がっているブレーカーを一度切り、それ以外のブレーカーは全て入れます。 その際にエアコン用のコンセント以外の場所で停電しているところなどがなければ確実に専用回路であるということが分かります。 もしこの時に、停電している箇所があればエアコンはそれらと同じブレーカーに繋がっていることになります。

専用回路増設の手順

エアコンの専用回路ではなかった場合には、そのままではエアコン取り付け工事が出来ませんので、電源増設施工を行うことになります。 その手順とはどのような流れになっているのでしょうか。 そもそも電源増設施工はエアコンを購入した電気屋さんに依頼をするか、別途設置と工事を行ってくれる業者を探して依頼するかのどちらかになります。 電気屋さんで依頼をするのが手っ取り早いですが、技術面は専門業者のほうが高いですし、価格も安く済む場合もありますので、良く調べて依頼するところを決めるようにしましょう。 専用コンセント増設工事の手順としてはまず初めに主幹ブレーカーを一度落として停電させます。 そして分電盤にエアコンのための専用ブレーカーを増設します。 ブレーカーを増設したら、分電盤から回線を伸ばしてコンセントの設置予定場所まで繋げていき、エアコンの近くに新しいコンセントを設置します。 コンセントの形状や電圧は、設置する予定のエアコンに合わせて選びます。 コンセントの設置が完了したらブレーカーを上げて、規定の電圧がきちんと来ているかどうかを確認して問題なければ作業は終了になります。

電圧によって形状が違う!

エアコンのコンセントの形状の違いは、ずばり、電圧と電流の違いによるものです。

エアコンのコンセントは単相100V15A単相100V20A単相200V15A単相200V20Aの4種類に分かれています。

この「単相」というのは、家庭用の家電製品に電気を送る方法を指します。

単相100V15Aパラレル型と呼ばれ、6~8畳用エアコンに使われます。

単相100V20Aアイエル型と呼ばれ10~12畳のエアコンに使われます。

単相200V15Aダンデム型と呼ばれ、14畳以上の部屋用エアコンに使われます。

単相200V20Aエルバー型と呼ばれ、16畳以上の部屋用エアコンに使われます。

部屋が広くなればなるほど、電圧も電流もより多く必要になります。

ですから、部屋の広さによってエアコンのコンセントが違うというわけです。

エアコンの電圧とコンセント形状をメーカー別・シリーズ別でまとめてみました。
ここでは2018年モデルを例にしましたが、シリーズが同じであれば参考になると思います。

メーカー別、シリーズ別のコンセント形状一覧。(P:パラレル型,I:アイエル型, D:ダンデム型, E:エルバー型)

メーカーシリーズ名電圧 形状冷房2.2kW冷房2.5kW冷房2.8kW冷房3.6kW冷房4.0kW冷房5.6kW冷房6.3kW冷房7.1kW冷房8.0kW冷房9.0kW
日立
2016モデル
XJ電圧100100100100/200200200200200200200
形状PPII/EEEEEEE
ZJ電圧100100100100200200200200200
形状PPIIEEEEE
E電圧10010010010020015.51616
形状PPPPDEEE
V電圧100100100100200200200200
形状PPPPDEEE
BJ電圧100100100100200200
形状PPPPDE
AJ電圧100100100/200100/200100/200200
形状PPP/DI/DI/DE
メーカーシリーズ名電圧 形状冷房2.2kW冷房2.5kW冷房2.8kW冷房3.6kW冷房4.0kW冷房5.6kW冷房6.3kW冷房7.1kW冷房8.0kW冷房9.0kW
三菱電機
2018モデル
FZ電圧200200200200200200
形状EEEEEE
Z電圧100100100/200100/200200200200200200200
形状PPI/DI/DEEEEEE
JXV電圧100100100/200100/200100200200200
形状PPI/DI/DEEEE
BXV電圧100100100100200200
形状PPPPDD
AXV電圧100100100/200100/200200200
形状PPP/DP/DDD
GV電圧100100100100200200
形状PPPPDD
HXV電圧100200200200200200
形状IDEEEE
KXV電圧100100100/200200200
形状III/DEE
メーカーシリーズ名電圧 形状冷房2.2kW冷房2.5kW冷房2.8kW冷房3.6kW冷房4.0kW冷房5.6kW冷房6.3kW冷房7.1kW冷房8.0kW冷房9.0kW
富士通ゼネラル
2018モデル
X電圧100100100200200200200200
形状PPIEEEEE
XS電圧100100100100200200200
形状PPPIDEE
Z電圧100100100200200200200
形状PPIEEEE
D電圧100100100100200
形状PPPID
C電圧100100100100200
形状PPPID
XN電圧100100200200200
形状IIDEE
GN電圧100100200200200
形状IIDEE
メーカーシリーズ名電圧 形状冷房2.2kW冷房2.5kW冷房2.8kW冷房3.6kW冷房4.0kW冷房5.6kW冷房6.3kW冷房7.1kW冷房8.0kW冷房9.0kW
シャープ
2018モデル
J-X電圧100100100100200200200200200
形状PPIIEEEEE
H-X電圧100100100100200200200200200
形状PPIIEEEEE
H-H電圧100100100100200
形状PPPID
H-D電圧100100100100200
形状PPPID
H-S電圧100100100100
形状PPPI
メーカーシリーズ名電圧 形状冷房2.2kW冷房2.5kW冷房2.8kW冷房3.6kW冷房4.0kW冷房5.6kW冷房6.3kW冷房7.1kW冷房8.0kW冷房9.0kW
東芝
2018モデル
DR電圧100100100100100200200200200
形状PPIIIEEEE
R電圧100100100100200
形状PPPID
P電圧100100100100
形状PPPI
DRN電圧200200200200
形状EEEE

形状が異なるには理由がある

では、なぜエアコンのコンセントは形状が異なっているのでしょうか?

すべて同じ形状のほうが、一見便利にも思えます。

しかしそれにはきちんとした理由があります。もしもすべてのコンセントが同じ形状だとしたら、200V用コンセントに100Vのプラグを差し込んでしまう間違いが起きるかもしれません。

するとエアコンの利きが悪くなったり故障しやすくなったりといった不具合が生じてしまいます。

逆に100V用コンセントに200Vのプラグを差し込んでしまったら火災が起こる恐れもあります。

また、他の電化製品のプラグを差し込んでしまったら、エアコン用の大きな電流によって電化製品が壊れてしまう可能性もあります。

このような不測の事態を防ぐために、エアコンのコンセントの形状を電圧とアンペアによって、わざと変えているというわけです。

理由が分かると、一見不便に思えるコンセントの形状の違いにも、納得がいくのではないでしょうか。

双方が異なる場合は工事が必要です

ではエアコンのコンセントとプラグの形状が合わない場合は、どうすればよいのでしょうか。

せっかく買った新品のエアコンが使えなかったら、ショックが大きいですよね。

しかし、工事をすれば双方が異なっていても、きちんと使用できるようになります。

ただし、「形状を同じにするだけなら、わざわざ業者に頼まなくても自分でやれそう。

ホームセンターで買ってくればいいんだよね?」と考えるのは大変危険です。

というのも、単に形状を同じにしても双方の電圧と電流が揃うわけではないからです。

また、そもそも電気工事は資格を持った人しか行えません。

漏電による火災や、感電による事故などの起こる可能性もありますので、必ず専門業者に依頼するようにしてください。

料金はエアコン取り付けの際にお願いする場合はプラス6000円程度ですから、言うほど高くはありません。

ご自身やご家族の安全のためにも、くれぐれも自己判断で行わないようにお気を付けください。

まとめ

エアコンのコンセントの形状について見てきましたが、いかがでしたか?

エアコンを購入する際、部屋の広さに合ったエアコンをお選びいただければ、コンセントとプラグの形状が違うという事態はほとんど起こらないとは思いますが、「エアコンをもっと大容量の物 に買い替えたい」、

あるいは逆に「小さい容量の物に変えたい」というケースもあるかもしれません。

その場合は専門業者に相談し、工事を依頼することをお勧めします。

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2件のコメント

20年前エアコン3.2kwのコンセントに今回2.8kwのものに取り替えの際、専用の配線工事が必要と言われたのですが納得いかないのですが?

投稿ありがとうございます。
エアコン設置の際の専用回路が必要かどうかについては、法律や国の規制で決まっているわけではございませんが、日本電気協会の民間規格「内線規程」では、過電流の発生によりブレーカーが落ちやすくなったり、出火につながるおそれがあることから「別に専用の分岐回路を設けること」との記載があります。
またエアコンメーカーにおいても、同様の理由で専用回路を設けての使用を推奨しています。

以前はそのような取り決めなどがなかったため一般回路を使用することもありましたが、最近では専用回路を必須とするところが一般的になっています。

弊社でも、出火などの危険性もあり、専用回路がない現場では、まず専用回路を設置してからのエアコン取り付けをおこなっております。
ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

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